（ブルームバーグ）： ニューヨークに勤務したみずほ銀行の元バイスプレジデントが日本人の従業員ではないことを理由に差別を受けたとして、同行を相手取りマンハッタンのニューヨーク州地裁に訴えを起こした。
原告はデービッド・クルタニーゼ氏で、８日に提出された訴状によると、訴訟の対象は同行と同氏のマネジャー３人。クルタニーゼ氏はみずほに入行する前にモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループ、クレディ・スイスなどに勤務し、優れたパフォーマンスや経歴があったにもかかわらず、みずほでは昇進を認められず、日本人従業員とは異なる扱いを受けたと主張している。
同氏は少なくとも1000万ドル（約14億3000万円）の損害賠償を求めている。みずほ広報担当者のコメントは今のところ得られていない。
クルタニーゼ氏は2017年にみずほのファイナンス・チェンジ・グループに入行。同氏によると、グループの責任者は大半の時間を日本人従業員に費やし、日本人以外の従業員を受け入れることはめったになかった。同氏は別のマネジャーについて、日本人従業員に対しては非常に丁重かつ親切だったが、日本人以外にはあからさまに失礼な態度で冷たく接したと説明した。
同氏によれば、差別が強く表面化したのは19年に第３子が誕生した後に育児休暇の延長を申請した時で、マネジャーから第３子の誕生によって同行に「多くの不便」をもたらしており、日本人が育児休暇を取るのは希有なため、申請は否定的に受け取られていると言われたと主張。マネジャーから「より日本人的な従業員になるための講習を受講すべきだと伝えられた」としている。
クルタニーゼ氏はその後も差別に見舞われたと指摘。手首に負傷を負った際に妥当な便宜を図ってもらえず、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）のさなかに、ニューヨーク州が在宅勤務を命じたにもかかわらずにオフィス出社を余儀なくされたとも訴えている。同氏は21年に解雇されたという。
原題：Ex-Mizuho VP Sues Bank Alleging Bias Against Non-Japanese Staff（抜粋）
8/9(水) 10:31 Bloomberg
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea52a32211b8db84b5165b9c176ce9bca0434158
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