
▽包括的なケアを
―今後どのようなロスジェネ対策が必要なのでしょうか。
政府は2019年、氷河期世代を「人生再設計第1世代」と言い換えて、3年で30万人の正規雇用を目指すとぶち上げました。
遅すぎた対応だったのですが、結局、3万人しか正社員になっていません。
膨大な数の人がその策に乗れなかったわけです。
それには企業側の問題もあるだろうけど、ミスマッチもあったと思います。
要するに正社員化だけ言っていても、対策にならない。
「今すぐ正社員としてフルタイムで働けます!」ってところに達しない人もたくさんいるということ。
それぐらい、この30年で痛めつけられてきたロスジェネが多いのです。彼らはこの先、50代に突入していきます。
働くことも難しい、青葉被告のような人をも包み込むケアの発想を取り込んだ対策をしないといけないフェーズに来ています。
ロスジェネは、ひどい働き方で心身を病んだり、不安定雇用が続いてうつ病を発症したりした人が一定数います。
さらには青葉被告のような生活保護の受給者や前科がある人、またひきこもり経験者なども少なからずいて、今や雇用問題だけじゃないのです。
孤立して人間関係がゼロの人もたくさんいます。
精神科医や出所者支援の専門家なども加わった包括的な対策で、これまでとは異なるアプローチをする時期に来ていると思います。
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