
20年ぶり円安「悪循環」の危険、日銀はいますぐ長期金利上昇を容認すべきだ
(抜粋)
● 金利差で円キャリー取引発生 投機取引を支えている日銀
日米間に顕著な金利差があるので、円で資金調達してドルで運用する円キャリー取引が発生する。
仮に将来、円高になれば損失を被るから、これは投機的な取引だ。しかしいまは日銀が金利を抑えているので、ほとんどリスクなしに巨額の利益を得られる。
投機筋にしてみれば、中央銀行が投機取引の利益を保証してくれるという、めったにない機会が起きていることになる。
円キャリー取引は、円を売ってドルを買うので、円安を促進する。このため、さらに円安が進み、それがキャリー取引を増やすという悪循環が生じている。
中央銀行が投機を正当化するような事態は一刻も早く停止すべきだ。そのためにも金利上昇を認めるべきだ。
● 物価上昇率に合わせて 金利上限値引き上げる必要
日銀のイールドカーブコントロール(YCC)で、長期金利の上限値として0.25%が設定されているのは、期待物価上昇率がほぼその程度という想定をもとにしているのだろう。
つまり、実質金利としてはゼロ%近辺が適切と考えられているわけだ。
だが実質金利ゼロの目標を維持するなら、物価上昇率が高まれば、名目金利を引き上げなければならない。
物価が急速に上昇しているにもかかわらず金利目標を名目値で固定すれば、マイナス実質金利幅が拡大してしまい、金融緩和が進みすぎてしまう。
日本の消費者物価上昇率は、携帯電話料金引き下げの影響を調整すれば、現在すでに2%程度になっているはずだ。
だから、名目長期金利目標を2%程度に引き上げる必要がある。
実質金利は、現実の物価上昇率ではなく、期待物価上昇率で評価されるべきだ。いまの日本の期待物価上昇率は2%よりさらに高いかもしれない。
そうであれば、名目長期金利の目標値をさらに高くすることが必要だ。
そもそも、2016年9月に導入されたYCCは、イールドカーブの傾きを急にすることを目的としたものだった。つまり、長期金利の押し上げが狙いだった。いまこそ、それが必要とされている。
本来、中央銀行は、政策金利として短期金利を操作する。そしてイールドカーブを通じて、間接的に長期金利が決まるようにしている。
これに対して日本の場合には、長期金利もコントロールの対象としている。そして、その上限に近づけば、国債を購入して市場に介入する直接的な方法をとっている。
この方式を改め、長期金利は市場に任せるという本来の姿に戻すべきなのだ。
※2へ続く
全文ソース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6ae503a30075fa2c157d42d7c703ccca100686d
米山隆一ツイート)
![野口悠紀雄、米山隆一「日銀は今すぐ長期金利を上昇させ、円安を抑えろ。イールドカーブコントロールをやめればいいだけだぞ」 [754451178]->画像>2枚](https://rz.anime-tube.win/pic.php?https://i.imgur.com/ixMbNJv.jpg)