
「何しよっとか」 冠水道路、トラック走行で被害? 国道34号沿いガラスや壁破損 住民や事業者ら、怒りのやり場なく
8/24(火) 7:48
佐賀新聞
記録的な大雨による浸水被害が深刻な武雄市で、道路沿いの店や事業所、住民らが、冠水した道路を走行したトラックに憤っている。押し寄せた波で窓ガラスや壁が破損し、被害が大きくなったと口をそろえる。警察も事情を把握しているが、因果関係が明確でないため摘発は難しそうだ。店主らは「冠水道路を走る行為は被害を広げる」と走行しないよう懇願する。
「何しよっとか」。14日午前5時ごろ、北方町の国道34号沿いでカラオケ店を営む森本敦さんは、店の前の国道34号を走る大型トラックに思わず叫んだ。1メートルほど冠水しているのに、波を立てながら走ってきた。駐車場の車は浮き上がり、天井まで水をかぶった。
隣の塗料卸「ニシイ」の事務所は、国道側の北側の窓ガラス6枚が割れて水が入り、南側の壁が10センチほど押し出されて壊れた。「浸水は3度目だが、壁までやられたことはなかった。ガラス窓の枠も曲がるほどの水圧。トラックが立てた波のせいか…」と怒りのやり場がない様子だ。
冠水した道路を走ったトラックはほかにもいるようだ。国道沿いに住む50代の女性は「午前7時ごろ、ゴオーっとすごい音と波を立てて走ってきたので、慌ててスマホのシャッターを押した。ガレージのフェンスが曲がり基礎のブロックも崩れた」。近くの家では、倉庫のシャッターが波に押されるように曲がった。
武雄署は110番で事態を把握。トラックを特定して連絡した。ただ「走行の事実は認めているが、トラックが立てた波で壁やガラス窓が破損したかどうか、因果関係を立証するのは難しい」という。
北方町の西側の朝日町でも、国道34号につながる県道沿いの建物でガラスが割れる被害が目立っている。止水板があったのに割れたガラスの部分から水が入った店もある。道路沿いの店主は「普通の車でも『来るな』『止まれ』と叫んでも聞いてくれない。車が起こす波で、商品や棚が倒れて被害が拡大することを肝に銘じてほしい」と話す。(澤登滋、小野靖久)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc4e0e8b9dafe096da1191d56e6de46dfd4ef23d