
日本に1万3000軒超あるペットショップの店頭に並ぶ子犬や子猫は、工場のよう
に大量生産する繁殖場(パピーミル)から、ペットオークションという競りを
経て供給される。これが大半の飼い主がペットを手にするまでのルートだ。
しかし、そもそも海外ではペットショップなど店頭での生体販売が一般的で
はなく、子犬・子猫が生後56日(8週齢)以前に出荷されることも、欧米では
ありえない。本来なら子犬たちに免疫力がつく8週齢まで親元に置くのが理想だ。
「今の日本では幼ければ幼いほど好まれ、高く売れる傾向があり、わずか生後
49日で出荷されることがほとんど。免疫力のない子犬たちの多くは、途中で
命を落としてしまいます。そのため、より多く繁殖させ、出荷する必要が出て
きて、大量生産・大量消費に拍車がかかるのです」(『動物環境・福祉協会Eva
』のスタッフ)
また、免許不要で繁殖業が誰にでも始められてしまうのも、問題点の1つ。
「日本のパピーミルは庭先の小屋や民家で行われることが多く、まったくの素
人が開業できてしまうのも特徴です。“必ず儲かるから”と持ちかけられて犬
や猫を引き継ぐものの、実際には投資費用に比べて利益は少ないことの方が多
い。そのため、負のスパイラルにはまっていく業者も多いのです」(『犬猫み
なしご救援隊』のスタッフ)
◆処分したい犬猫を有料で引き取るビジネスが暗躍
一方、売れ残って不良在庫となった犬はどうなるのか。実は「動物の愛護
及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)の平成25年(2013年)の改正
前まで、業者は売れ残った犬猫を自治体に持ち込み、そのほとんどが殺処分されていた。
しかし、法改正後は、行政が犬猫の引き取りを拒否できるように。そうして
行き場のなくなった、売れ残った犬猫の受け入れ先として存在感を増してきた
のが、通称“引き取り屋”と呼ばれる過剰在庫処理業者だ。
「引き取りそれ自体は、違法ではありません。しかし、適切な世話をせずに
衰弱させるなど虐待が疑われるケースは非常に多いのが実状です」(『日本
動物福祉協会』のスタッフ)
http://news.livedoor.com/article/detail/14863739/