
オウム真理教13人の死刑執行近し? 法務省が急ぐ理由
オウム真理教事件で死刑が確定した死刑囚13人のうち7人について、法務省は14日~15日、
東京拘置所から別の5カ所の拘置所に移送した。
オウム関連の刑事裁判は1月にすべて終結しており、同省は教祖・松本智津夫(麻原彰晃)死刑
囚(63)ら13人の執行について、本格的に検討を始めたとみられる。
移送されたのは、中川智正(55)、新実智光(54)、小池(旧姓・林)泰男(60)、早川紀代秀(68)、
井上嘉浩(48)、横山真人(54)、宮前(旧姓・岡崎)一明(57)の各死刑囚。厳重な警備の中、
大阪、名古屋、仙台、広島、福岡の各拘置所に身柄が移された。いずれも死刑の執行施設を
持つ拘置所だ。法務省関係者が明かす。
「表向きの理由は『共犯者の分離が目的で、執行の準備ではない』と強調しましたが、もちろん
執行に向けた移送です」
オウム関連の刑事裁判が続いていた間は、13人の死刑囚が東京地裁の公判に証人として出廷
する可能性があった。しかし全裁判が終結したため、東京の1カ所に収容しておく必要はなくなっ
た。また、新年度に入って拘置所職員らの異動があると、新しい陣容で再調整が必要となるため、
年度内移送に踏み切ったという。
「法務省は、早期に執行を行いたい考えを持っています。なぜ執行を急ぐのか。来春には天皇陛下が
退位され、元号が変わります。新天皇即位に伴う皇室の慶事が行われる中での執行は、おめでたい
雰囲気に水を差してしまうことになるのでできない。平成に起きた事件は平成で終わらせる、というのが
最重要課題なのです」(同前)
執行のXデーはいつなのか。前出の法務省関係者は極秘事項だとして堅く口を閉ざすが、司法担当記
者は「執行中の警備体制や予想される混乱を長引かせないため、同じ日に13人を一斉執行することも
あり得る。執行時期は保秘が徹底されていますが、国会審議に影響しないよう、通常国会が終わるの
を待つのではないか」と推測している。
3月20日、世の中を震撼させた地下鉄サリン事件から23年を迎えた。平成最大の国内テロ事件は、
間もなく真の意味での終局を迎えようとしている。
http://bunshun.jp/articles/-/6664