
フェイク(偽)オンラインニュースのパワーと増殖の根っこには、一緒にニュースを読んでいる他者の存在があるようだ、
という米国コロンビア大学ビジネススクールからの研究報告。他者の存在が、曖昧な情報の事実関係をチェックしようとする意志を低下させるのだという。
研究チームは8つの実験を行って、他者の存在が、人々の情報の評価に、特に極めて曖昧な主張の評価にどのように影響するか検証した。
8つの実験を通して、人々は自分が単独でその事実を知らされる時に比べて、グループで知らされる時には、35%も後の事実チェック行動が低下することが明らかになった。
他者の存在は、人々が曖昧な情報の事実関係をチェックしようという意思を低下させるようだ。
人々はひとりでいる時に比べて他者が存在することを知覚しているときに、事実チェックを怠り易い。
人々は、情報が自分の帰属する側のものだとより信じ易い傾向があるけれども、同じ情報でも事実チェックをするかどうかは、知覚された社会環境にのみ依存したという。
研究チームは、集団ではチェック機能が低下する理由として次の3つの可能性を挙げている。
1)個人は、他者に「ただ乗り」が期待できるために、努力を加減する(かくして事実チェックをしなくなる)のだろう
2)人々は、他者の言葉を額面通り受け取りなさい、という社会規範を順守するのだろう
3)群衆は、一般的に警戒心を低下させる「みんなでいれば安心だ」という感覚を人々に遺伝的に呼び起こすのだろう
多くのエビデンスが3番目の可能性を支持しており、他者の存在は、人々の警戒本能を押し下げることによって事実チェックを少なくさせるようだ。
http://www.pnas.org/content/114/23/5976.full
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=61602