
思えば最近、やたらと「75歳」という年齢がクローズアップされていた。
「75歳まで働ける社会を」「高齢者は75歳から」……
なるほどすべてはこれに向けた布石だったのか。
いよいよ政府が、「75歳年金支給引き上げ」に向けて本格的に動き出した。
(中略)
“選択制なら従来通り65歳で年金をもらえばいいじゃないか”と考えるのは甘い。
年金政策に詳しい社会保険労務士の北村庄吾氏は「いよいよ来るべきものが来た」と指摘する。
「日本の年金支給開始年齢はサラリーマンの定年とセットで引き上げられてきた。
昔、定年が男性55歳、女性50歳だった時代は年金支給が5年遅れの60歳と55歳。
1994年の高年齢者雇用安定法改正で定年が男女とも60歳に引き上げられると、
年金支給も段階的に65歳に引き上げられ、70歳の繰り下げ受給も選択できるようになった。
そして2013年4月に施行された改正案により希望者全員の定年が65歳に延長され、
いよいよ年金も全員70歳支給になるということ。
政府の審議会の75歳選択支給の議論は、選択制ではない完全な年金70歳支給は
大前提で早くもその先、70歳定年制と年金75歳支給の時代が来ると見るべきです」
(中略)
年金支給開始年齢の70歳引き上げも、70歳定年制も国民には寝耳に水である。
ましてや75歳支給など悪夢以外の何物でもない。
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