教職員に「性の多様性」への理解を深めてもらおうと、姫路市教育委員会は4月、教職員向けの研修資料を作成し、市立幼稚園、小中高校などの全教職員に配布した。市教委の担当者は「性的指向、性自認に悩む子供たちと向き合ってほしい」と狙いを話す。
資料はA4判6ページで、タイトルは「学校における性の多様性に対する正しい理解と対応」。市教委が2016年に作成した資料ではタイトルなどに「性同一性障害」という言葉が使われており、19年にWHO(世界保健機関)が「障害とは認められない」とする見解を示したことも受けて、今回の改訂に至った。専門家や当事者の意見を聞きながら、性的少数者を説明する表などを見直した。
市教委が20年度に性の多様性について研修を実施したかを各校に尋ねた調査では、小学校などでは8・7%、中学校や高校などでは23・7%にとどまっていた。市教委の担当者は「教職員も無意識に子供を傷付けている可能性がある。自分の行動や言葉遣いを見直す規範にしてほしい」と活用を呼びかけている。【後藤奈緒】
毎日新聞 2021/5/11 11:15(最終更新 5/11 11:15)
https://mainichi.jp/articles/20210511/k00/00m/040/095000c