原発専業の日本原子力発電と関西電力が2018~21年度、原電敦賀原発がある福井県敦賀市に市道整備費として15億円を提供することが分かった。市関係者が取材に明らかにした。原電は13年度まで市の公文書に記載される寄付金を払ってきたが、今回は市の財務書類に提供元が載らない負担金の形式を取っている。
東京電力福島第一原発事故後の10年間、敦賀原発を含めた原電の全3原発は稼働しておらず、売電収入がない中での資金提供となる。原電に基本料金を払う東電など大手5電力の料金に影響する可能性がある。
市道は敦賀半島の東側を通る西浦1、2号線。市に隣接する美浜町には関電美浜原発もあり、福島原発事故後は動いていない。
敦賀市関係者によると、原電と関電は18、19年度に計1億9700万円を支払った。20年度分は計3億7千万円を出す予定。市は21年度当初予算案に両社からの9億4千万円を盛り込んだ。
負担割合は原電が58%、関電が42%。割合の算出根拠について市幹部は「事業者が決めており、不明」としている。
両社は18~21年度、道路法に基づく負担金として支払う。負担金は市の予算・決算書では、支出者名や負担割合は記載されない。
この市道建設で原電は09~13年度、計19億8千万円を市に寄付した。市は寄付金を市の公文書「寄付採納の件」に記載し、議会に配っていたが、経営悪化中の高額寄付が批判され、原電は記載しないよう13年に市に要求。12、13年度の寄付金は記されなかった。14年度は負担金で5億7千万円を出す一方、資金提供を止めると市に通告し、工事は3年間中断した。
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