世界で広がる新型コロナウイルスを巡り、新規感染が過去最高の水準で推移する国が相次いでいる。
累計感染数が上位の米国、ブラジル、インドだけでなく、中南米ではコロンビアやメキシコ、
中東ではイラクがここ1週間で過去最高を更新した。いったんは感染を抑制した国での再拡大も目立ち始めている。
米ジョンズ・ホプキンス大のまとめ(米東部時間16時半時点)によると、全世界の累計感染者数は1682万人、
死者数は66万2千人を超えた。死者数が最も多い米国は15万人を突破した。
南米コロンビアでは28日の新規感染者数が1万284人と、過去最多を更新した。
同国は3月下旬から厳格な外出制限を実施して周辺国に比べて感染を抑えていた。
しかし4月下旬からの段階的な経済活動の再開が響き、足元では増加ペースが加速している。
ドゥケ大統領は同日、外出制限を8月末まで延長すると発表した。「今後も緩やかな経済活動の緩和手続きを進めていく」と語る一方、
感染のピーク時期など今後の見通しについては言及を避けた。
メキシコは23日の新規感染者数が8438人と過去最高で、その後も7千人規模で増えており、累計では40万2千人を超えた。
当初は感染の中心はメキシコシティ首都圏だったが、最近は自動車メーカーが工場を構える中央部で感染が広がっている。
イランでは28日の新規感染者数は2667人で、累計では29万6千人を超えた。
4月半ばから1カ月半ほどは落ち着いていたが、再び感染が高水準で推移している。
北東部の聖地マシャドでの感染が広がり、政府は聖地訪問を控えるよう促す。
今月18日にはロウハニ大統領が全人口の約3割に相当する2500万人が感染している可能性を示唆した。
イラクの場合は、25日の新規感染の増加数である2862人が過去最高となった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62069330Q0A730C2000000/