仏女性の世界最高齢記録、実は娘の成り済まし? ロシア研究者の指摘で物議
AFP 2019年1月7日 18:31 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ロシア・CIS フランス ヨーロッパ ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3205330
南仏アルルの市庁舎で、世界最高齢121歳の誕生日を祝う式典に出席するジャンヌ・カルマンさん(1996年2月21日撮影)。(c) Georges GOBET / AFP
南仏アルルの高齢者施設で、世界最高齢のギネス記録に認定された証書を手に持つジャンヌ・カルマンさん(1995年10月18日撮影)。(c) Georges GOBET / AFP
南仏アルルにある自らの名前が付いた高齢者施設で、114歳の誕生日のお祝いを受けるジャンヌ・カルマンさん(1989年2月21日撮影)。(c)AFP / Jacques DEMARTHON
南仏アルルのサントロフィーム教会で行われたジャンヌ・カルマンさんの追悼礼拝(1997年8月7日撮影)。(c)Georges GOBET / AFP
【1月7日 AFP】1997年に死去したフランス人女性が持つ史上最高齢の世界記録について、成り済ました娘の詐称だった可能性をロシアの研究者らが指摘し、広く物議を醸している。
現在「ギネス世界記録(Guinness World Records)」で認定されている世界史上最高齢は、フランス人女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さんの122歳164日。生前のカルマンさんはよく、「神様は私のことを忘れているに違いない」と冗談を言っていた。
しかし、この記録に疑問を抱いたモスクワ大学(Moscow State University)の数学者ニコライ・ザーク(Nikolai Zak)氏は、老年学者のバレリー・ノボセロフ(Valery Novoselov)氏と共同でカルマンさんの生涯を調査。数か月をかけ、本人のインタビューや写真、カルマンさんを知る人の証言、カルマンさんが住んでいた南仏アルル(Arles)の自治体の公文書などを分析した。
「これらの資料すべてを分析した結果、ジャンヌ・カルマンさんの娘イボンヌ(Yvonne Calment)さんが母親に成り済ましていたという結論に達した」とザーク氏はAFPに語った。
ザーク氏は先ごろ「ジャンヌ・カルマン、その長寿の秘密(Jeanne Calment: the Secret of Longevity)」と題した報告書を、世界の研究者向けソーシャルネットワークサービス「リサーチゲート(ResearchGate)」に発表した。その内容には激しい非難が殺到する一方、科学者の中からは報告を歓迎し、長寿記録に関する審査の厳格化が必要だと強調する声も上がっている。
公式記録によれば、カルマンさんの娘イボンヌさんは1934年に胸膜炎で亡くなっている。ザーク氏は、このとき死亡したのはイボンヌさんではなくカルマンさん自身で、その後イボンヌさんが相続税の支払いを逃れるために母親に成り済ましたとの説を唱えている。この説が事実なら、1997年に亡くなったのはイボンヌさんで、年齢は99歳だったことになる。
■待たれる遺体発掘?
ザーク氏は1930年代のカルマンさんの身分証明書に記載されている身体的特徴と、後年の実際の容姿が異なる点を指摘する。身分証明書には、カルマンさんは身長152センチで、目の色は濃い茶色、額は狭いと記されている。いずれも、後年のカルマンさんの外見と全く一致しない特徴だ。
一方、老年学者のノボセロフ氏は「医師として、常にカルマンさんの年齢に疑問を持っていた」と主張する。「カルマンさんの筋肉組織の状態は、同年代の人々と違った。何の支えもなしに上体を起こして座っていられた。認知症の兆候も全くなかった」
さらに疑惑を深める要素として2人は、カルマンさんが有名になってから、昔の自分の写真の一部を燃やしてくれと指示していた点を挙げている。
一方、カルマンさんのギネス世界記録認定に携わったフランスの人口統計学者・老年学者のジャンマリ・ロビヌ(Jean-Marie Robine)氏は、カルマンさん関連の「文書の信ぴょう性に疑いを抱いたことは一度もない」とAFPの取材に語った。
また、カルマンさん死亡時にアルル市長だったミシェル・ボゼール(Michel Vauzelle)氏は、カルマンさんは多くの医師の診察を受けていたとして、ロシア人研究者らの説は「全くあり得ないばかげた話」だと反論している。
(記事の続きはリンク先)
AFP 2019年1月7日 18:31 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ロシア・CIS フランス ヨーロッパ ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3205330
南仏アルルの市庁舎で、世界最高齢121歳の誕生日を祝う式典に出席するジャンヌ・カルマンさん(1996年2月21日撮影)。(c) Georges GOBET / AFP

南仏アルルの高齢者施設で、世界最高齢のギネス記録に認定された証書を手に持つジャンヌ・カルマンさん(1995年10月18日撮影)。(c) Georges GOBET / AFP

南仏アルルにある自らの名前が付いた高齢者施設で、114歳の誕生日のお祝いを受けるジャンヌ・カルマンさん(1989年2月21日撮影)。(c)AFP / Jacques DEMARTHON

南仏アルルのサントロフィーム教会で行われたジャンヌ・カルマンさんの追悼礼拝(1997年8月7日撮影)。(c)Georges GOBET / AFP

【1月7日 AFP】1997年に死去したフランス人女性が持つ史上最高齢の世界記録について、成り済ました娘の詐称だった可能性をロシアの研究者らが指摘し、広く物議を醸している。
現在「ギネス世界記録(Guinness World Records)」で認定されている世界史上最高齢は、フランス人女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さんの122歳164日。生前のカルマンさんはよく、「神様は私のことを忘れているに違いない」と冗談を言っていた。
しかし、この記録に疑問を抱いたモスクワ大学(Moscow State University)の数学者ニコライ・ザーク(Nikolai Zak)氏は、老年学者のバレリー・ノボセロフ(Valery Novoselov)氏と共同でカルマンさんの生涯を調査。数か月をかけ、本人のインタビューや写真、カルマンさんを知る人の証言、カルマンさんが住んでいた南仏アルル(Arles)の自治体の公文書などを分析した。
「これらの資料すべてを分析した結果、ジャンヌ・カルマンさんの娘イボンヌ(Yvonne Calment)さんが母親に成り済ましていたという結論に達した」とザーク氏はAFPに語った。
ザーク氏は先ごろ「ジャンヌ・カルマン、その長寿の秘密(Jeanne Calment: the Secret of Longevity)」と題した報告書を、世界の研究者向けソーシャルネットワークサービス「リサーチゲート(ResearchGate)」に発表した。その内容には激しい非難が殺到する一方、科学者の中からは報告を歓迎し、長寿記録に関する審査の厳格化が必要だと強調する声も上がっている。
公式記録によれば、カルマンさんの娘イボンヌさんは1934年に胸膜炎で亡くなっている。ザーク氏は、このとき死亡したのはイボンヌさんではなくカルマンさん自身で、その後イボンヌさんが相続税の支払いを逃れるために母親に成り済ましたとの説を唱えている。この説が事実なら、1997年に亡くなったのはイボンヌさんで、年齢は99歳だったことになる。
■待たれる遺体発掘?
ザーク氏は1930年代のカルマンさんの身分証明書に記載されている身体的特徴と、後年の実際の容姿が異なる点を指摘する。身分証明書には、カルマンさんは身長152センチで、目の色は濃い茶色、額は狭いと記されている。いずれも、後年のカルマンさんの外見と全く一致しない特徴だ。
一方、老年学者のノボセロフ氏は「医師として、常にカルマンさんの年齢に疑問を持っていた」と主張する。「カルマンさんの筋肉組織の状態は、同年代の人々と違った。何の支えもなしに上体を起こして座っていられた。認知症の兆候も全くなかった」
さらに疑惑を深める要素として2人は、カルマンさんが有名になってから、昔の自分の写真の一部を燃やしてくれと指示していた点を挙げている。
一方、カルマンさんのギネス世界記録認定に携わったフランスの人口統計学者・老年学者のジャンマリ・ロビヌ(Jean-Marie Robine)氏は、カルマンさん関連の「文書の信ぴょう性に疑いを抱いたことは一度もない」とAFPの取材に語った。
また、カルマンさん死亡時にアルル市長だったミシェル・ボゼール(Michel Vauzelle)氏は、カルマンさんは多くの医師の診察を受けていたとして、ロシア人研究者らの説は「全くあり得ないばかげた話」だと反論している。
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